NPO日本国籍華人同携会
編集者雑記(No.8) H21.11.01
中国と日本の自然信仰について

まず、前回の朝日新聞社記事に関する抗議内容に関しましては、法務省人権担当から
抗議・意見文の同社への申し立て方法について丁寧なアドバイスをいただきました事
ここで改めてお礼申し上げます。

「在日華人 第七部 犯罪底流(下)」の記事についても、「偽装結婚をした中国人
だけを犯罪者としてクローズアップして、一方の当事者である日本人についてはその罪
に言及していない」点、「売春に関する記述も同様」緒方健二編集委員の偏見と差別感
が如実に表れています。

我々の使命の一つとして、こうした人権侵害を助長するマスメディアの言論については
引き続き監視していく所存でおります。

さて、左フレームのYou Tubeをご覧いただきますと、私、副理事長の立川が先日前職場
の上司としてご指導いただいた、現バチカン(正式国名Holy See)の日本国全権大使
上野景文さんと歓談させていただいた画像をご覧になっていただけます。

大使は、グァテマラ大使のご経験もあり、アニミズム信仰などについての著作や論文
を数多く執筆されておられますが、そこで紹介されている内容で、中国を含む東アジア
に関する、プリンストン大学(米国)のシルバー教授の偏見について気になりました。

同教授は「自然への挑戦」で、『一神教的伝統のない中国、韓国、シンガポールなど
東アジア(教授はなぜか日本には言及せず)では、「全ての自然を統べる神意」のごとき
観念がないことから、そのような神意への畏敬心に欠け、よって、自然に手をつけること
への抵抗感が稀薄と断じている。』のだそうです。

我々、日本国籍華人同携会の前回上海での会合の際に、我々会合参加者は、浙江省の
南北湖、秦山(泰山ではありません。秦の始皇帝の秦です。)にある道教や仏教のお寺
を見学することができました。霊験あらたかな、すばらしい自然に溢れていました。

「臥薪嘗胆」、「呉越同舟」で有名な、会稽山もこの秦山も、「大山鳴動すれど・・・」で
有名な泰山も、山水画の歴史・伝統をみても、中国人の自然崇拝、自然信仰があることは
明らかであり、「自然に手をつけることへの抵抗感が稀薄である」というシルバー教授の
論文は、研究不足・誤解と偏見に満ちていると言わざるを得ないと考えます。

日本は中国から仏教や道教、山水画という芸術も教わっていることも影響しているはずですが
例えば、富士山信仰をはじめ、各地に自然崇拝・自然信仰が根付いています。

東京のど真ん中、中央区にも富士山信仰の歴史を伝える場所があるのをご存じでしょうか?
富士見町・・・といった名前としては、かなり沢山残っていますが、今はビルの高層階で
ないと富士山が見えにくくなっていますが、江戸時代の浮世絵等では富士山はどこからでも
見えたことが分かります。で、この歴史的場所は八丁堀にある鉄砲州神社の「富士塚」です。
残念ながら、塚の頂上に登ってみましたが、目の前はマンションのベランダ・・・でした。

前回のパブリックペーパーの過ちと同様に、教授や政治家などについても、不適切な発言が
あれば正していきたいと考えております。

Back to Top Page.
Back to index.