NPO日本国籍華人同携会
アニミズムと先端技術の「共鳴」

ものづくり生命文明機構という経済産業省の外郭団体で、
以前にもご紹介させていたたいている前バチカン大使
杏林大学上野景文教授の講義を拝聴させていただきました。

上野教授は元グァテマラ大使でもあり、来週からラジオ講座
「マヤ文明」をなさる茨城大学青山和夫教授と共にアニミズム
文明に造詣が深いお話を聞かせてくださいました。

中国と日本という二つの文化交流の橋渡しの役割を担うべき
NPOとして「文明の衝突・多様化・共存・共栄」については
以前から関心がありましたが、今回アニミズムという日本人
のメンタリティーに着目することの重要性を認識することが
できました。

西欧人は八百万の神々を信じあがめる(泉、巨木、岩、山、川、
海・・そして重要なのが道具や日用品まで)土着信仰を持つ日本人
か近代的進化を成し遂げたことを奇跡と考えているが、

アニミズムなのに近代化できた、共存した・・・のではなく、

物にまで魂を込めるアニミズムだったから、近代文明と共鳴した
のだとのご意見を伺い、大変納得させていただきました。

「漢字」という中国の「オリジナル文明」を輸入して、そこから
「かな」を発明して独自の文化を築いてきたこと「仏教・儒教」
などの思想を取り込みアニミズム信仰とともに独自の文化として
きたことも、この上野教授が説明された「共存ではなく、共鳴」
だったと考えると・・日本人のメンタリティーを説明しやすいの
ではないかと思い、感動を覚えました。

ちなみに、「日本固有の中世文明を、土着的なものとして西欧で
見下している人々が多いということに関し」聴講者の発言によれば、
北欧諸国の教科書には、「1543年にポルトガルが日本を発見した。」
と「コロンブスのアメリカ大陸発見」と同レベルで記載されている
のだそうです。

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合理主義者であれば、
製品に注入する魂≒製品価格

「物教徒」の場合、
製品に注入する魂>製品価格
だから優れた製品ができるという論理です。
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物にも愛情を注ぐアニミズムな日本人は、あの「はやぶさ」がカプセル
を帰還させてみずからは燃え尽きる様子に、涙しました。

一方、米国においても、スティーブジョブズがなくなった際、
小さな子供が「iPhoneを発明してくれてありがとう」と弔辞を述べた
との報道を聞きましたが、ジョブズはiPhone、iPod、iPadに魂を注入
しました。siriなど人工頭脳です。小さい子・・・つまり、人間の本能
としては、洋の東西を問わず、物にも魂を感じるということがあるの
かもしれません。

上野教授、青山教授の今後のさらなるご活躍をお祈りいたします。
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